かなテクカレッジ造園コースの卒業制作 神奈川県横浜市鶴見区

query_builder 2023/03/07
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横浜市鶴見区かなテクカレッジでは、造園コースの卒業制作にとりかかっていました。

私にとって大変お世話になった親方が据えた樹木や灯籠、景石の背景を活かす庭になりました。


20年数年前に、国内外の庭が好きで旅していたのをきっかけに職業訓練校に入学。ただ庭や自然が好きで、何も分からない状態でした。その時の恩師の先生方のご指導やご紹介で、親方に出会い、修行。紆余曲折、失敗も多々。それでも自分の可能性を信じ続け、前向きに限界に挑戦し続けました。


そして今回、先生方と生徒と一丸となって造園工事をしました。環境問題や予算や限られた授業日程がある中、がむしゃらに頑張る生徒、分からず難しいと悩む生徒、生徒それぞれの個性を活かしながら作庭をしていきました。石や竹や木材は校内にある廃材をできるだけ利用、樹木や苔も校内にあるものも利用。


過酷な日もありましたが、庭が完成して校内の他のコースの先生や生徒に声を掛けていただき、とてもご好評でした。生徒の皆さんは技術と経験はまだ学生としての1年・半年分しかありませんが、真心をこめて庭造りをする大切さを感じてもらえたようです。


最後は、みんなの達成感や笑顔がこぼれていました。短い期間の少しの作業でしたが、成長して今後のいい経験になっていればと思います。


ありがとうございました。


版築土塀・サビ看板・浮き階段・延べ段・石積み上の板塀・植栽

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版築土塀にサビ看板

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メノウ砂利を混ぜて、水晶のキラキラした石が見え和にも洋にも合う版築土塀門柱。サビ看板を浮かせてステンレスの文字入れをしました。LEDソーラーライトで版築土塀と銀閣寺型水鉢と善導寺型灯籠・板塀・石積みを照らし、夜も明るくオレンジがかった暖かい電球色にしてあります。


奥行きがないため、遠近法でGLの高さを上げていきサイドは石柱でやんわり狭めていってます。砂利も手前は大きめで奥にいくと小さくして遠近感を出すようにしました。


生徒やお客様の入り口への動線から、版築土塀や銀閣寺型水鉢の向きを決め正面と斜めの向きから観れるようにしました。基本設計は私が行いましたが、生徒たちの声を沢山聞き、アイディアを出してもらいデザインも積極的に取り入れました。関守石も生徒が3種類作り、みんなで選びました。選択肢をいくつか用意したり、私のやり方が正解でもなく、1つの手段であり、100人親方がいれば100通りのやり方がある話しをして臨機応変にやる事や、素直に人の話しを聞く事、こだわりを持つこと、基本の大切さ、やり直す大切さ、技術も大事ですが、感性や人間性を磨く事の大切さも伝えました。


板塀も石積みの上に設置し、柱は土の中に打つと腐りやすくなるので、基礎コンクリートを打設し、石積みの上に設置して強度を上げています。柱も余りものに柿渋を塗りました。

石積みの端は算木積みにしました。通り目地、四ツ目地、重ね積みはしないこと、石の加工は最低限にすることなどを気をつけました。

国産ヒノキ板材はACQ防腐材注入です。板塀(ウッドフェンス)屋根板も付けました。施工後の板の変形を考慮し、木材板の木表・木裏を見分け向きを揃えました、柱の建て込みは節で上下を見分け自然に生えていた状態で立てました。

地窓は柱と柱の間隔が広いためクセ直し板をいれ矯正しました。親方の匠の技を板塀地窓と円窓の額縁に入れ強調しました。板塀の角のバリが出たところは、面取りで紙やすりで砥ぎました。四角の窓のままだと硬い印象だったので、サラシ竹の半端があったので円窓に組みました。


石は購入せず、廃材や余りものを集めリサイクルで予算を下げるようにしました。


苔は校内の日陰に生えているものも集めて竹垣で余った廃材を手作りで割った竹目串を打ちはりました。苔がもつよう保水や保肥性を考慮しバーミキュライトや燻炭の土にしてあり、目土に川砂を使用しました。苔のために日陰も作りたかったので校内にあった、この時期に黄色い花が可愛いミツマタを植えました。板塀のところは梅や景石の根じめにソテツを移植しました。江戸時代に普及した築山庭造伝を参考に5色アセビは、役木として鉢前の木として植栽、もうじきピンク色に変化していきます。


斜の曲がりが面白い赤松越しに観る庭になっています。地下支柱で施工しました。赤松の根元には赤石が据えてあります。中でも佐渡の赤石は希少価値があり、家が1,2軒建つと言われたほどです。石英に酸化鉄が多く含まれ高熱高圧でできた石です。主張が強く癖や好みが分かれるので、だいぶ沈めて据え赤松と赤石を合わせ日陰で、苔をはり大人しく据えました。魔除けや縁起物で守り石でもあります。持ち主の精神を穏やかにし安定感をもたらす石とされ、明治の経済界の重鎮渋沢栄一氏も岩崎弥太郎氏も大切にされていたと言います。


電柱や建物を隠すために枝垂れ桜を植え将来10~15年先の成長が楽しみです。四季で春夏秋冬に楽しめる庭ではありますが、サクラが満開になる頃が一番の見頃になるでしょう。


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